2021.03.01 13:30イヌカキネガラシSisymbrium orientale L. [アブラナ科] 原産地は地中海から中央アジア。世界の暖帯を中心に広く帰化している。日本では1912年に初めて宮城県で記録された。山口県では、山口県立山口博物館の記録によると、「豊浦郡、1941年、永富三治」が最初である。根生葉は鉾形状。花は1cmの黄色花。果実は長さ約10cm、幅約2㎜、まるくて硬い円筒状(写真)である。周南市を中心に国道の緑地帯(中央分離帯)に多い。(南敦)
2021.03.01 13:23ハナダイコンOrychophragmus violaceus (L.) O.E.Schulz [アブラナ科]別名:ショカツサイ、オオアラセイトウ 原産地は中国。日本には江戸時代に花壇用に入った。再び1980年頃から中国から多数入り庭に植えられたが、逸出野生が多くなった。山口県では、山口県立山口博物館の標本記録によると、「厚狭郡楠町船木、1989年4月17日、岡国夫」が最初である。花は青紫色で同定は容易である。(南敦)
2021.03.01 13:19マルバオランダガラシ〈新称〉Nasturtium officinale R.Br. cv. [アブラナ科] 20年位前から山口県各地に小葉や茎の上部の葉が円形~楕円形のオランダガラシ(クレソン)が見られる。この種類は、小葉が長楕円形~披針形の普通のオランダガラシと相当異なる。全形もかなり大きい。幅1mの水路で高さ1.3mのものもあった。オランダガラシの栽培品種と思われるが、標記の名をつけて更に検討したい。栽培実験の結果は、固定した形質であった。この種類は相当数山口県立山口博物館に納めてある。(南敦)
2021.03.01 13:05カラクサナズナLepidium didymum L. [アブラナ科] 原産地はヨーロッパ。世界に拡がっている。日本では明治30年代に小笠原で見つかり、その後東京を中心に拡がった。山口県では、山口県立山口博物館の標本記録で、「山口市湯田、1969年5月18日、三宅貞敏」が最初である。人家地帯の小路の側、空地、庭などで高い草のないところに多い。ニンジンのような葉で、触るとものすごい悪臭がある。花序の軸に柄の長い球果を10~30個つけるなどの特性がある。(南敦)
2021.03.01 13:01ダイコンモドキHirschfeldia incana (L.) Lagr.-Foss. [アブラナ科]別名:アレチガラシ 原産地は地中海沿岸。詳細は不明。日本では最初、1954年に三重県で採集された。山口県では南敦が、2005年5月19日に上関町長島大浦の造成地で採集し、山口県立山口博物館に納めたのがはじめである。詳細は『山口の植物』Vol.9 No.26参照。県内で他の記録はない。(南敦)
2021.03.01 12:54コタネツケバナCardamine parviflora L. [アブラナ科] 原産地はヨーロッパ。日本では1954年奈良県で報告された。山口県では、山口県立山口博物館によると、「秋芳町青景鍛冶屋、1987年8月4日、塩見隆行」がはじめの記録である。市街地の道端などに11月より開花。頂小葉は卵形でない。花弁の長さは約2㎜である。非常に多い。(南敦)
2021.03.01 12:47ミチタネツケバナCardamine hirsuta L. [アブラナ科] 原産地はヨーロッパ~東アジア。日本では1992年頃に確認されている。山口県では至る所に野生し、山口県立山口博物館には南敦らの標本が多数出されている。根生葉はよく発達するが茎葉はほとんどない。根生葉の小葉は円形に近く、その頂葉は著しく大きい。花弁の長さ2~3㎜。3月下旬に開花する。道端のいたる所に生育している。(南敦)
2021.03.01 12:42ハマカブラ琉球列島Brassica rapa L. var. rapa [アブラナ科] カブラの別名はカブ、カブナ。栽培のカブラは中国から持ち込まれた。2014年1月11~15日、沖縄県大東島にいくつもの群落があった。地元の人の話では「根は細くて役に立たない。葉や花茎を煮物や油炒めに使う。全部採ると絶滅するので、必ず数株は残す」という。2017年4月11日には与那国島で、同13日には波照間島の海近くでも大小の群落が見られた。恒久的に野生化しているのは沖縄県のみであろう。(南敦)
2021.03.01 12:30ハルザキヤマガラシBarbarea vulgaris R.Br. [アブラナ科] 原産地はヨーロッパ。世界の主に温帯や、暖帯に帰化している。日本には明治時代末期に入った。山口県では、山口県立山口博物館の記録によると、「熊毛郡大和町束荷、1984年4月29日、真崎博」が最初である。花の直径が約7㎜で小さく、種子と根系によってよく増えている。写真のものは現在(2017)も健在である。(南敦)
2021.03.01 12:24シロイヌナズナArabidopsis thaliana (L.) Heynh. [アブラナ科] 原産地はユーラシア大陸ならびに北アフリカ。世界の暖帯~温帯の疎生地に分布。日本には第二次世界大戦後に入った。山口県では、『山口県植物誌』の記録によれば、「山口市氷上、1892年4月10日、二階重楼」が最初である。開花期は3月下旬~4月中旬で小さい白色花を開く。根生葉は長楕円形で密に生え、茎生葉はほとんどない。山口市徳地八坂一帯に多い。(南敦)