2021.03.03 08:14キンゴジカSida rhombifolia L. subsp. rhombifolia [アオイ科] 原産地は東南アジア。世界の熱帯から暖帯まで分布する。日本では琉球や小笠原など亜熱帯に広く分布していたが、今(2017)では山口県でもかなり見られる。山口県では、山口県立山口博物館の標本記録で、「美東町長登、1987年9月5日、塩見隆行」が最初である。花は黄色から白色まである。茎の下面に星状毛が密生、果実の分果は10個である。光市、上関町、周防大島町などには特に多い。在来種との説がある。(南敦)
2021.03.03 07:48ヤノネボンテンカPavonia hastata Cav. [アオイ科] 原産地は南アメリカで、高さ70~100cmの低木。1980年代頃、日本各地に園芸植物として入り、暖地で野生化した。山口県では、南敦が2007年8月31日、光市総合病院駐車場に多数野生化したものを採集し、山口県立山口博物館に出したのが最初の記録となる。現在、周防大島町、上関町、下関市、防府市などで栽培や野生を見る。これらは越冬している。上関町のものも山口博物館に入れてある。(南敦)
2021.03.03 07:27エノキアオイMalvastrum coromandelianum (L.) Garcke [アオイ科] 原産地は熱帯アメリカ。世界の熱帯~亜熱帯に拡がった。日本には小笠原や琉球に早くから入っていたといわれる。八重山群島では路傍や空地などの低草地でかなり多く見られる。2017年4月10~14日、石垣島、与那国島、波照間島で多くを見たが、ほとんど花期を過ぎていた。近似の植物が多いが、次の形質により他種と区別できる。葉は長卵形で大きな鋸歯がある。果実の分果は他種より多く約12個である。(南敦)
2021.03.03 07:08ハイアオイMalva rotundifolia L. [アオイ科] 原産地はヨーロッパ。世界各地に帰化している。日本には昭和時代に入った。檜山庫三が神奈川県大磯町で、1948年に採集したのが最初の記録である。山口県では、『山口県植物誌』によると、「下関市下関突堤、1969年5月22日、三宅貞敏」が最初である。花弁の先はわずかに凹む。葉は5~7の掌状に分裂する。花弁の形や色に変異がある。茎はほふくするか斜上し、直立しない。(南敦)
2021.03.03 06:19ジャコウアオイMalva moschata L. [アオイ科] ヨーロッパ原産の多年生草本。日本には観賞用として明治年間に持ち込まれた。山口県では、山口県立山口博物館に記録がなかった。広島県では、1982年、太刀掛優により芸北町で採集されている。生育が旺盛で多数の種子をつけ、冷涼地を中心に野生化し拡がっている。葉や花色に変異があり、夏に白色や淡紅色の花をつける。(吉岡恭三)
2021.03.03 05:46キバナトゲアオイ〈新称〉琉球列島Hibiscus radiatus Cav. cv. [アオイ科] 『日本帰化植物写真図鑑』第2巻で「アカバナトゲアオイ」が載り、花色は「淡紅色~濃紅色」とされている。2012年12月16日、山口植物学会は琉球列島波照間島の荒地で「花色が黄色」であるが、他は前記文献と一致するものを採集した。標本は山口県立山口博物館と広島大学に納めた。学名は「紅色」などと同じものとし、「和名」のみを新称した。波照間島以外では見ていない。ケナフに似ている。(南敦)
2021.03.03 03:40フヨウHibiscus mutabilis L. [アオイ科] 原産地は中国で、世界の暖帯を主に観賞用として拡がった。いろいろな品種がある。山口県では、山口県立山口博物館の標本記録によると、「山口市大内氷上、山口県立農業学校、1906年9月25日、小田常太郎」がはじめである。現在、暖地では至る所の荒れ地や岸などにますます多く野生化しつつある。(井川孝子)
2021.03.03 03:37ニシキアオイAnoda cristata (L.) Schltdl. [アオイ科] 原産地はメキシコ。かなりの国に帰化している。日本では三重県に帰化。山口県では、南敦が田布施町宿井の畑で2008年9月21日に採集し、標本を山口県立山口博物館や広島大学に出している。これが、山口博物館の記録では最初である。宿井の畑では牛糞を多数使用していたので、それに混じってきたものと思われる。一年生草本。(南敦)
2021.03.03 03:32イチビAbutilon theophrasti Medic. [アオイ科] 原産地はインド。世界の各地に強靭な皮から繊維をとるために渡った。山口県にも牧場などに牛糞や牧草種子などに混じって来た。山口県では、山口県立山口博物館の標本記録によれば、「山口市大内氷上山口県立農業学校、1906年7月11日、小田常太郎」が最初である。野生は牧場などに多い。(南敦)
2021.03.03 03:20タカサゴイチビ琉球列島Abutilon indicum (L.) Sweet subsp. indicum [アオイ科]別名:シマイチビ 原産地はインド。繊維をとるために世界に拡がり、逸出野生化した。高さ約2m位になる多年生草本であるが、与那国島浦野の海岸には特に多く、風が強いためか高さ約30cm、広さ6㎡程の群落を諸所に形成していた。近似のタイワンイチビは葉の表面が緑色で細かい皺があるが、タカサゴイチビの葉は滑かで灰白色の軟毛を密生する。花は午後遅く開花する。南敦の標本が山口県立山口博物館に出してある。(富永啓介)