2021.03.02 11:49ビロードクサフジVicia villosa Roth subsp. villosa [マメ科] 原産地はヨーロッパ。世界各地にナヨクサフジなどと共に、ヘアリーベッチの名で牧草または緑肥として渡った。2017年5月2日、周南市上村の路傍で群生を見て採集した。全体に軟毛があるが、特に茎には軟毛を密生する。これにより近似のものと容易に区別できる。写真の標本は山口県立山口博物館に納め、同館初記録となった。(南敦)
2021.03.02 09:34ナヨクサフジVicia villosa Roth subsp. varia (Host) Corb. [マメ科] 原産地はヨーロッパ。大正時代に牛馬の飼料や緑肥として導入された。近年はそれらに加えて観賞用に栽培される。これらが逸出し、道端や荒地、河川敷などにはびこっている。道路法面に播種されることもある。山口県では、山口県立山口博物館の標本記録で、「防府市右田 、2002年4月28日、南敦」が一番早い。近似の種との区別は翼弁が真っ白いことと全体無毛に近いことである。南敦は2015年光市岩田の道端でも採集し、山口博物館に出している。(南敦)
2021.03.02 09:19シロツメクサTrifolium repens L. [マメ科] 原産地はヨーロッパ。日本では江戸時代初期に移入し、のちに牧草として導入された。山口県では、『山口県植物誌』によると、「熊毛郡祝島、1952年8月2日、岡国夫」が最初の記録である。葉の3小葉の表面には斑紋を持つものが多く、小花は白色、希に淡紅色をおびるものもあるが、多数集まって頭状花序をつくる。 (石光照彦)
2021.03.02 09:07ムラサキツメクサTrifolium pratense L. [マメ科]別名:アカツメクサ ヨーロッパ原産で世界中の温帯~暖帯域に飼料として栽培され、帰化している多年生草本。春から秋にかけ茎の頂に紫紅色の花をつける。明治年間のはじめ、飼料作物として導入された。山口県では、『山口県植物誌』によると、「山口市古熊、1962年7月17日、三宅貞敏」が一番早い記録である。牧草地などに多い。(田邊護)
2021.03.02 08:57ツノクサネム琉球列島Sesbania cannabina (Retz) Pers. [マメ科] 原産地はインド~マレーシア。世界に緑肥や飼料として渡った。日本には第二次世界大戦後沖縄に入った。山口植物学会は2014年1月14日南大東島、2014年11月24日与那国島田原川で見て採集した。標本は山口県立山口博物館に納めてある。近似のアメリカツノクサネムに比して、豆果の節が25~35個、長さも2~3倍ある。(南敦)
2021.03.02 08:45タマザキクサフジSecurigera varia (L.) P.Lassen [マメ科] 玉咲草藤。原産地はヨーロッパ。各国で牧草として栽培され、またそれらが逸出している。日本には1950年頃から牧草として入った。山口県では、山口県立山口博物館の標本記録で、「徳山市久米、1977年10月15日、南敦」が最初にある。これは「南敦1981.レポート日本の植物10:95」に発表された。その後、南敦は山口市(旧阿知須町)や周南市(旧鹿野町)、下松市で採集。レンゲの花序にそっくりである。(南敦)
2021.03.02 08:22シカクマメ琉球列島Psophocarpus tetragonolobus (L.) DC. [マメ科]別名:トウサイ、ハネミササゲ 豆果が長方形。希に山口県でも一年生作物として栽培され、柔らかい豆果を食べた。2017年4月13日、沖縄県波照間島の荒地と石を積み重ねた石垣の上で、他の草木や自分の蔓に巻きつきながら拡がっていた。蔓の根元の方の直径が2cm以上のものもあり、5年以上の年数を経たものと思われた。一年生作物でも亜熱帯~熱帯では野生化して多年生草本となるものが多い。写真の標本は山口県立山口博物館に納めた。(南敦)
2021.03.02 08:10シナガワハギMelilotus officinalis (L.) Pall. subsp. suaveolens (Ledeb.) H.Ohashi [マメ科]別名:エビラハギ 東アジア原産。一~二年生草本。高さ30~60cmほど。黄色の蝶形花を密につけた総状花序を出す。花期は夏~秋。明治初期から広く沿海地に帰化した。山口県では、『山口県植物誌』によれば、「徳山市徳山、1968年9月30日、三宅貞敏」が一番早い記録である。瀬戸内海側に多い。2017年4月11日与那国島、13日波照間島にも多かった。(田邊護)
2021.03.02 05:34ウマゴヤシMedicago polymorpha L. [マメ科] 原産地はヨーロッパ南部から地中海地方。日本には江戸時代初期に入った。山口県では、『山口県植物誌』によると、「萩市萩、1920年5月13日、二階重楼」が最初の記録である。現在(2017)は至る所に多い。近似のコウマゴヤシに比して茎葉は無毛かほとんど無毛、托葉は櫛歯状に裂ける。コウマゴヤシは茎葉は有毛、托葉はほとんど全縁、ごく希にある。(南敦)
2021.03.02 05:11コメツブウマゴヤシMedicago lupulina L. [マメ科] ヨーロッパ原産の一年生草本。茎はよく分枝し地を這う。葉は3小葉の複葉。上部にのみ鋸歯がある。20~30個の小型の花は黄色。実は腎臓形。道端などに帰化する。山口県では、『山口県植物誌』によると、「下関市突堤、1968年10月10日、三宅貞敏、やや希」が初記録である。暖地の至る所で見られ、南方に行くほど多くなる。(田邊護)
2021.03.02 05:05セイヨウミヤコグサLotus corniculatus L. var. corniculatus [マメ科] 原産地はヨーロッパ。世界各国で牧草とされ、野生化している。日本には1970年代に帰化植物として報告された。山口県では、山口県立山口博物館の標本記録によると、「阿知須町自然観察公園、2000年6月30日、三宅貞敏」が最初である。ひとつの花茎に4花が多い。在来のミヤコグサLotus corniculatus L. var. japonicus Regelは普通2~3花である。(南敦)
2021.03.02 05:01ギンネム琉球列島Leucaena leucocephala (Lam.) de Wit [マメ科]別名:ギンゴウカン 熱帯アメリカ原産。日本では琉球諸島や小笠原諸島で野生化している。高さ約15mに達する高木もある。葉は2回偶数羽状複葉、3~10対の羽片をつける。各羽片には20~30個の小葉が対生する。頭花は球形で直径2~5cm、白色の小花を密生する。豆果は柄の先端に複数つき、線形で扁平、長さ10~17cm、熟すと黒褐色になり、10~25個の種子を含む。(石光照彦)