2021.02.28 09:09イヌコハコベStellaria pallida (Dumort.) Crèp. [ナデシコ科] ヨーロッパ原産。日本には1978年に千葉県で初めて記録された。山口県では、南敦が光市中央で2013年3月23日に採集した標本がはじめで、各地の相当数の標本を山口県立山口博物館に納入している。特徴は花に花弁がないことと、がくの基部が紫色であることである。(南敦)
2021.02.28 09:01コハコベStellaria media (L.) Villars [ナデシコ科] ヨーロッパ原産。日本では1922年に東京で確認された。山口県では、『山口県植物誌』によると、「徳山市、1950年3月6日、S.Okamoto」が最初の記録である。全体がやや小型で、茎が紫がかった色をしていることが多い。また、近似のミドリハコベの種子は円錐形の突起があるのに比べて半球形の低い突起である。また、ミドリハコベは葉や茎が通常緑色である。(石光照彦)
2021.02.28 08:57ウシオハナツメクサSpergularia bocconii (Scheele) Foucaud ex Merino [ナデシコ科] 原産地はヨーロッパ。近似の植物があり、世界にどのように拡がったかは不明である。2016年6月25日、南敦は光市島田市島田川沿海地で採集した。次の特徴がある。葉茎や萼などに腺毛が著しい。葉の先は針状に尖る。花序の花は葉と対生する。花弁は上半分のみが淡紅色である。南敦の各地の標本は山口県立山口博物館に納めてある。(南敦)
2021.02.28 08:49ノハラツメクサSpergula arvensis L. var. arvensis [ナデシコ科] オオツメクサ Spergula arvensis L. var. sativa Kochの基本種(母種)。原産地はヨーロッパ。日本には明治の初期に入った。山口県では、『山口県立山口博物館収蔵資料目録植物標本目録Ⅱ』(1997)によると、「阿武郡阿東町徳佐徳佐高校農場、1972年11月28日、見明長門」の記録が一番早い。2015年12月には、防府市の山口農業大学の牧場に全面密生していた。全体オオツメクサと近似だが、種子の表面に白色の棒状突起がある。(南敦)
2021.02.28 07:13マンテマSilene gallica L. var. quinquevulnera (L.) W.D.J.Koch [ナデシコ科] ヨーロッパ原産。世界各地に帰化した一年生草本。全体に粗い毛がある。茎の下部が少し横に這い、高さ30cmほど。春~夏、5花弁の花を1方向に向けてつける。花弁の色は暗紫色でその縁は白色。山口県では、『山口県植物誌』によると、「阿武郡大井、1905年6月1日、小田常太郎」が初記録である。(田邊護)
2021.02.28 07:09イタリーマンテマSilene gallica L. var. giraldii (Gussone) S. M. Walters [ナデシコ科]別名:ケナシマンテマ 原産地は地中海沿岸。近似のマンテマに比して全草無毛。花弁は紫紅色で、その先は通常凹まない。1933年に長崎県長崎市で見つかった。山口県では、『山口県植物誌』によると、「光市室積、1966年4月25日、和田益夫」の記録が最初である。南敦は2015年、周防大島町伊保田港でも採集した。(南敦)
2021.02.28 07:00シロバナマンテマSilene gallica L. var. gallica [ナデシコ科] マンテマの変種で白~淡紅色の花をつける。原産地はヨーロッパ。世界各地に帰化した。山口県では、『山口県植物誌』の記録によると、「玖珂郡神代、1963年4月30日、岡国夫」が最初である。県内各地の路傍や海辺、空地などに群生する。紅い花の場合でも、マンテマほど濃紅色ではなく、花弁の周辺が白色を帯びない。花弁の分裂はないか、ごく浅い。(南敦)
2021.02.28 06:53ヨウシソウ〈新称〉Silene fortunei Vis. [ナデシコ科] 中国名は蝇子草。山口植物学会会員の吉田紀美子・岡村敏子の両氏が山口県美祢市秋吉の道路法面で2014年8月30日に採集した、不明の植物の同定を求めてこられた。南敦はいろいろな文献を調べた結果、『中国高等植物図鑑』の「蝿子草」と同定した。下葉が大変広い、花弁の先端が細裂、がく筒は無毛などの性質を持つ。さし木で増やした標本を山口県立山口博物館、広島大学ほかに納めてある。(南敦)
2021.02.28 06:37スイセンノウSilene coronaria (L.) Clairv. [ナデシコ科]別名:フランネルソウ、ビロードソウ 原産地は南ヨーロッパ。全世界で花壇に植えられた。日本にいつ頃入ったかは不明。山口県では、『山口県立山口博物館収蔵資料目録植物標本目録Ⅰ』の記録によれば、「山口市、1903年6月3日、小田常太郎(栽Fl)」、野生(逸出)では「岩国市御庄大谷、1988年7月19日、南敦(逸出Fr)」がはじめである。近年人家地帯や海辺などに多数逸出し、野生化している。(南敦)
2021.02.28 06:18サボンソウSaponaria officinalis L. [ナデシコ科] 石鹸草。原産地はヨーロッパ。観賞用や薬用として各国にわたった。日本には明治初期に入った。生命力が強く各地で逸出し野生化した。山口県では、山口県立山口博物館の標本記録で、「吉敷郡大内村(山口市)氷上山口農業学校、1905年11月7日、小田常太郎(裁)」が最初である。野生では、「光市光井、1973年11月26日、南敦」が最初である。1973年頃光市光井海岸にはかなり野生化していた。(南敦)
2021.02.28 06:13イトツメクサSagina apetala Ard. [ナデシコ科] 原産地はヨーロッパ。オーストラリアに帰化。日本には1942年広島県で採集された。山口県では南敦が2011年5月2日、柳井郵便局で採集したのが最初である。標本は山口県立山口博物館に納入してある。2016年4月23日、光市中央6丁目の自宅にも数十本生えていた。茎の上部、花柄などに開出する腺毛が多数あることで、近似品と区別できる。(南敦)
2021.02.28 06:08ヨツバハコベPolycarpon tetraphyllum (L.) L. [ナデシコ科] 原産地はヨーロッパ、南アメリカ、アフリカほか。各国の路傍に広く帰化。日本には1953年に神戸で見つかった。山口県では、『山口県植物誌』によると、「下関市長府、1951年8月24日、日野巌と勝本謙」が最初である。葉が4輪生する特性があり、2枚が大きく、2枚が小さい。開花期は5月下旬が多いが、ほとんど一年中見られる。至る所の海近くの路傍、広場に多い。(南敦)