2021.03.16 05:50オナモミ〈参考〉Xanthium strumarium L. subsp. sibiricum (Patrin ex Widder) Greuter [キク科] 『日本の野生植物Ⅲ』で北村四郎は「日本には古くからあるが、アジア大陸から帰化したものであろう。かつては道端によくあったが、近年はほとんど見られない」と記している。山口県では、『山口県植物誌』によると、「山口市大内(間田)、1895年9月9日、二階重楼」が最初である。南敦は二回見ただけである。(南敦)
2021.03.13 06:35イガオナモミXanthium orientale L. subsp. italicum (Moretti) Greuter [キク科] 原産地は不明。現在はアメリカやアジア、オーストラリアなどの暖帯に広く分布する。日本では1950年代に東京で見出された。山口県では、『山口県植物誌』によると、「熊毛郡長島、1968年10月6日、和田益夫、やや希」が最初である。暖帯下部を好む。下松市笠戸島、柳井市柳井港・平郡島、上関町室津などに多い。果実の刺に更に小さい刺が密に開出する。(南敦)
2021.03.13 06:30コトブキギク琉球列島Tridax procumbens L. [キク科] 熱帯アメリカ原産の多年草で茎はよく這う。日本では第2次世界大戦後に最初に沖縄に帰化した。その後亜熱帯地方を中心にかなり見られる。葉の鋸歯が著しく大きいのと、頭花の柄が5cm以上伸びること、3裂した白色の舌状花が5枚であるなどの特性がある。南敦らの標本は山口県立山口博物館に納めてある。(吉岡恭三)
2021.03.13 06:27ニトベギク琉球列島Tithonia diversifolia (Hemsl.) A.Gray [キク科]別名:キダチメキシコヒマワリ、コウテイヒマワリ 原産地は中央アメリカ~メキシコ。高さが数mになる多年生草本。世界の熱帯~亜熱帯に広く栽培され、逸出野生化した。日本には明治の末期、新渡戸稲造によって持ち込まれた。名前はこれによる。沖縄にいつ頃入ったかは不明。2017年4月13日、波照間島の各地で栽培や野生化したものを見た。近似の植物に比して、5~7裂する大きな葉を持つ。写真の標本は山口県立山口博物館に納めてある。(南敦)
2021.03.13 06:23カラクサシュンギクThymophylla tenuiloba (DC.) Small [キク科] 北アメリカ~メキシコ原産。2006年7月10日、山口県上関町福浦一帯で多数群生しているのを見て、『山口の植物』Vol.10, No.29に Anacyclus radiatus Loisel として発表していた。『日本の帰化植物写真図鑑第2巻』で植村修二らは T. tenuiloba (DC.) Small カラクサシュンギク(新称)として掲載している。高さは10~25cm、葉は糸状、マリーゴールドに似た強い匂いがある。『高知県植物誌』にも出ている。写真の標本は山口県初記録となった。(南敦)
2021.03.13 05:58フシザキソウ琉球列島Synedrella nodiflora (L.) Gaertn. [キク科] 熱帯アメリカ原産の一年生草本。日本では昭和の初めから亜熱帯の八丈島や沖縄方面で見られたという。現在は八丈島、南西諸島などの亜熱帯に広く帰化。節に直径5㎜程の小さい黄色花をつける性質がある。名はここから来た。頭花の数は少ない。花期には近似品がなく同定できやすい。多くはない。南敦らは写真の標本を山口県立山口博物館に納めている。(吉岡恭三)
2021.03.13 05:54ステビアStevia rebaudiana (Bertoni) Hemsl. [キク科]別名:アマハステビア、シラユキギク 原産地は中米のパラグアイか、近辺国。甘味源として各国に渡った。多年生草本であるが一年生草本としても取り扱われる。葉茎は非常に甘い。ショ糖の200~300倍の甘さがあるといわれる。成分はステビオサイドという配糖体で、人では栄養にならない。近年野生化が見られる。写真の標本は山口県立山口博物館に納入している。同館の初記録である。(南敦)
2021.03.13 05:45アメリカハマグルマ琉球列島Sphagneticola trilobata (L.) Pruski [キク科] 熱帯アメリカ原産の蔓性多年生草本で、1970年代に地被植物として導入された。南西諸島各地に逸出、定着した。葉身は鋸歯が大きく張り出し、ほこ形~鳥足状となる。これにより近似種と区別できる。長さ6~15cmの花茎に直径約4cmの頭花を単生する。痩果は三角状狭卵形、褐色で、表面はいぼ状突起がある。標本は南敦により、山口県立山口博物館に納めてある。(石光照彦)
2021.03.13 05:39タイワンハチジョウナSonchus wightianus DC. [キク科] 原産地はヨーロッパ。世界各地に帰化。山口県では、山口県立山口博物館によると、「東和町神浦、1995年8月12日、南敦」が最初の記録である。2013年1月31日、沖縄県与那国島の「アイランドホテル与那国」の敷地内にかなり多く野生していた。以前山口県光市光井で採集し、現在(2017)自宅に栽培しているハチジョウナSonchus brachyotus DC.に形はよく似ている。(南敦)
2021.03.13 05:15メリケントキンソウSoliva sessilis Ruiz et Pav. [キク科] 原産地は南アメリカ。日本では1930年に和歌山県で初めて採集された。山口県では、山口県立山口博物館の標本記録によると、「岩国市錦帯橋駐車場、1994年6月4日、松崎秀人」が最初である。初夏に生じる果実は鋭い刺があり、さわるとひどく痛い。秋に繁る葉は濃緑色なので黄緑色のマメカミツレと異なる。人が踏みつける場所では多く見られる。(南敦)
2021.03.13 05:10オオアワダチソウSolidago gigantea Aiton subsp. serotina (Kuntze) McNeill [キク科] 原産地は北アメリカ。花壇や生花用として各国に導入された。日本にも明治年間に導入されたが、一部は野生化した。山口県では、『山口県植物誌』の記録によると、「美祢市及び美祢郡植山、1968年7月22日、三宅貞敏」が最初である。近似のセイタカアワダチソウの葉や茎には、剛毛が密生するが、この種では剛毛はないか、わずかである。北方系で冷涼地を好む。(岡村敏子)
2021.03.13 05:03オオバコメナモミ〈新称〉Sigesbeckia sp. [キク科] 山口市徳地野谷白井川上流域に「緑資源幹線林道 鹿野-豊田線」が数年前から開通された。林道の縁にメナモミとコメナモミの中間的な種が大群生している。メナモミのように葉は大きく、茎と葉の毛は長く開出する。花序の柄には白色の長毛が少しある。だが、メナモミの特徴である軟毛と腺毛がほとんどない。日本の文献や『中国高等植物図鑑』に一致するものがないので、オオバコメナモミと新称しておく。(南敦)