2021.03.20 05:33イヌシバStenotaphrum secundatum (Walter) Kuntze [イネ科] 原産地は熱帯アメリカ。世界の熱帯・亜熱帯を中心に芝生に用いられ逸出した。日本では1966年、福岡県で採集された。南敦は山口市徳地野谷(2008年6月13日)や周防大島町伊保田で採集し、標本は山口県立山口博物館に納入している。山口市徳地野谷のものが同館初記録という。また、大東島や与那国島の標本も同博物館や広島大学に納入している。いずれも芝生として植えられたものである。普通、葉は短く厚い。やや鈍頭である。(南敦)
2021.03.20 05:27セイバンモロコシSorghum halepense (L.) Pers. [イネ科] 原産地はヨーロッパ。各国各地に拡がっている。日本では第二次世界大戦後に関東地方に見出された。山口県では、『山口県植物誌』によると、「下関市一の宮、1952年12月12日、勝本謙」が最初の記録である。栽培しているトウキビに近似して、至る所に生育している。この種の小穂に芒を欠く型を品種のノギナシセイバンモロコシ(別名、ヒメモロコシ) f. muticum Hubb.という。基本種と混ざって生育していることがある。(南敦)
2021.03.20 05:18オニウシノケグサSchedonorus phoenix (Scop.) Holub [イネ科] 原産地はヨーロッパ。世界の亜寒帯から暖帯にわたって分布する。日本で砂防用や牧草に多く用いられるようになったのは、第二次世界大戦後である。山口県では、『山口県植物誌』によると、「阿武郡地福、1964年5月24日、岡国夫」が最初である。よく似たヒロハウシノケグサとの違いは次のとおりである。但し、( )内はヒロハウシノケグサ。小花の芒は1~4㎜(ない)。葉身の耳部の縁には短毛がある(ない)。(南敦)
2021.03.20 05:11ヨシススキSaccharum arundinaceum Retz. [イネ科] インド~東南アジア原産、大型多年生草本。飼料栽培から逸出野生化したとされる。超大形のススキに似るが、葉鞘の口部や葉舌の周囲に白色長毛がある。サトウキビの近縁野生種とされる。山口県美東町絵堂の高速道脇に見られる。(田邊護)
2021.03.20 05:03オオスズメノカタビラPoa trivialis L. [イネ科] 原産地はヨーロッパからアジア。日本にいつ頃入ってきたかは不明。山口県では、山口県立山口博物館の標本記録では、「山口市小郡町、1970年5月12日、岡国夫」が最初である。特徴はスズメノカタビラに比し、高さ30cm以上の大形、根系により群生、葉舌は白色膜状で先が尖り約5~8㎜、1節から3本以上の花枝を出す、ことなどである。(南敦)
2021.03.20 04:56ナピアグラス琉球列島Pennisetum purpureum Schumach. [イネ科]別名:ネピアグラス 熱帯アフリカ原産で高さ約2mの多年生草本。世界の熱帯・亜熱帯に牧草として入り、逸出野生化した。日本でも沖縄県や鹿児島県奄美諸島に入り、至る所で見られる。大きな円柱状の花穂は直径2cm、長さ10~40cm。小穂の基部からは黄褐色、約3cmの芒を開出する。近似のエノコログサよりは全体著しく大きく、花穂の色も黄褐色である。南敦の琉球各島の標本は山口県立山口博物館と広島大学に納めている。(南敦)
2021.03.20 04:17タチスズメノヒエPaspalum urvillei Steud. [イネ科] 原産地は南アメリカ。世界各地に牧草として持ち込まれ、拡がっている。日本では1958年に福岡県で確認。山口県では、『山口県植物誌』によると、「下関市下関突堤、1972年8月8日、三宅貞敏」が最初である。花序は通常10本以上の総からなる。また、小穂の長さは約2.5㎜。名前に「タチ」がつくが、10本以上の総が近接斜上し、重くなり、花序は傾くことがある。葯は黄色で、同定の決め手となる。(南敦)
2021.03.20 04:02チクゴスズメノヒエPaspalum distichum L. var. indutum Shinners [イネ科] 原産地は基本種のキシュウスズメノヒエが北アメリカ。基本種は世界各地に帰化している。変種のチクゴスズメノヒエの原産地は不明。キシュウスズメノヒエより大型で、葉鞘や節などに白毛を密生している。山口県では、山口県立山口博物館の標本記録によると、「阿知須町阿知須干拓地、1990年7月22日、南敦」が最初である。現在(2017)田布施交流館広場東側の田布施川に密生している。(南敦)
2021.03.20 03:46キシュウスズメノヒエPaspalum distichum L. [イネ科] 原産地は北アメリカ。世界の湿地に拡がっている。日本には第二次世界大戦後拡がった。山口県では、『山口県植物誌』によると、「下関市松尾、1938年8月18日、村田主計」が最初である。現在(2017)、至る所の湿地に群生している。花序は2本の穂状花序からなり、葉鞘には毛がない。変種のチクゴスズメノヒエ var. indutum Shinnersは全体が大きく、葉鞘に長毛が密生する。(南敦)
2021.03.20 03:15シマスズメノヒエPaspalum dilatatum Poir. [イネ科] 原産地は南アメリカ。世界に帰化。日本には1915年小笠原で見出された。山口県では、『山口県植物誌』の記録によると、「山口市下金古曽、1968年10月3日、三宅貞敏」が最初である。現在(2017)は至る所で見られる。特徴は次の通り。花序の総は2~8本で、軸に開出する。小穂の長さは3~3.5㎜。小花の羽毛状のめしべと葯は紫黒色である。葯は2室。それぞれはソーセージの形をしている。(南敦)
2021.03.20 03:04スズメノナギナタParapholis incurva (L.) C.E.Hubb. [イネ科] 原産地はヨーロッパ。北アメリカに帰化し、日本にも神奈川県に入っている。2016年6月25日、岡村敏子氏の案内で光市島田市島田川河口の湿地で群生を見た。株は叢生し茎も葉も鎌形に著しく湾曲する。南敦の標本は山口県立山口博物館や広島大学に出してある。同館初の記録である。(南敦)
2021.03.20 02:59ギネアキビPanicum maximum Jacq. [イネ科] 原産地は南アフリカ。世界各国で牧草として栽培された。日本各地の牧場でも栽培された。また、道路法面にも播種された。山口県では、山口県立山口博物館の標本記録によると、「防府市高井、1993年11月28日、南敦」が最初である。大型の多年生草本で高さ2mにもなる。やや斜上する穂の小穂は紡錘形で高さ3~4㎜である。(南敦)