2021.02.28 10:14ツルノゲイトウ琉球列島Alternanthera sessilis (L.) R.Br. ex DC. [ヒユ科] 原産地は南アメリカ。熱帯・亜熱帯を中心に暖帯まで拡がる。琉球列島に多いが、山口県西部の河川敷でも採集している。花は葉腋で球状の花序となる。近似のホソバツルノゲイトウは、葉が更に細長い。これは2014年7月19日、上関町戸津の畑で採集した。琉球列島と山口県の標本は山口県立山口博物館に納めてある。(南敦)
2021.02.28 10:09アメリカアリタソウDysphania anthelmintica (L.) Mosyakin et Clemants [ヒユ科] 原産地は熱帯アメリカ。世界各国に拡がる。最初は薬用植物として渡ったらしい。日本では1894年に千葉県で採集。山口県では、アリタソウChenopodium ambrosioides L.は、『山口県植物誌』の記録で、「山口市讃井、1964年10月4日、三宅貞敏」が一番早い。『山口県植物誌』ではアメリカアリタソウを分類していない。アメリカアリタソウは花序の間に苞葉が全くないか少ない。アリタソウは苞葉が大きいとある。両者が変種関係にあるが、分ける必要がないとの意見もある。写真のは、苞葉がごく小さいのでアメリカアリタソウとした。(南敦)
2021.02.28 09:41ウラジロアカザChenopodium glaucum L. [ヒユ科] 原産地はヨーロッパからアジア。世界の温帯~暖帯に広く帰化した。日本では明治時代に採集されている。山口県では、『山口県植物誌』の記録によると、「長門市青海島、1961年8月、三宅貞敏」が最初である。県内の海浜や干拓地等に広く生育している。葉には少ない大きな鋸歯がある。また、葉は多肉質で厚く、その裏は著しく白い。(南敦)
2021.02.28 09:27アカザChenopodium album L. var. centrorubrum Makino [ヒユ科] シロザC. album L.の変種。原産地は中国。若葉は紅い。全草を薬用や食用にするために早くから日本に渡ってきた。畑に栽培していたが逸出し、海浜や河州、荒れ地などで増殖するものもあった。山口県では、『山口県植物誌』によると「萩市萩、1927年9月11日、二階重楼」のみがある。その後、南敦は各地で採集し山口県立山口博物館に納めている。(南敦)
2021.02.28 09:09イヌコハコベStellaria pallida (Dumort.) Crèp. [ナデシコ科] ヨーロッパ原産。日本には1978年に千葉県で初めて記録された。山口県では、南敦が光市中央で2013年3月23日に採集した標本がはじめで、各地の相当数の標本を山口県立山口博物館に納入している。特徴は花に花弁がないことと、がくの基部が紫色であることである。(南敦)
2021.02.28 09:01コハコベStellaria media (L.) Villars [ナデシコ科] ヨーロッパ原産。日本では1922年に東京で確認された。山口県では、『山口県植物誌』によると、「徳山市、1950年3月6日、S.Okamoto」が最初の記録である。全体がやや小型で、茎が紫がかった色をしていることが多い。また、近似のミドリハコベの種子は円錐形の突起があるのに比べて半球形の低い突起である。また、ミドリハコベは葉や茎が通常緑色である。(石光照彦)
2021.02.28 08:57ウシオハナツメクサSpergularia bocconii (Scheele) Foucaud ex Merino [ナデシコ科] 原産地はヨーロッパ。近似の植物があり、世界にどのように拡がったかは不明である。2016年6月25日、南敦は光市島田市島田川沿海地で採集した。次の特徴がある。葉茎や萼などに腺毛が著しい。葉の先は針状に尖る。花序の花は葉と対生する。花弁は上半分のみが淡紅色である。南敦の各地の標本は山口県立山口博物館に納めてある。(南敦)
2021.02.28 08:49ノハラツメクサSpergula arvensis L. var. arvensis [ナデシコ科] オオツメクサ Spergula arvensis L. var. sativa Kochの基本種(母種)。原産地はヨーロッパ。日本には明治の初期に入った。山口県では、『山口県立山口博物館収蔵資料目録植物標本目録Ⅱ』(1997)によると、「阿武郡阿東町徳佐徳佐高校農場、1972年11月28日、見明長門」の記録が一番早い。2015年12月には、防府市の山口農業大学の牧場に全面密生していた。全体オオツメクサと近似だが、種子の表面に白色の棒状突起がある。(南敦)
2021.02.28 07:19ツキミマンテマSilene nocturna L. [ナデシコ科] 原産地は地中海。日本では2002年4月植村修二が和名をつけて発表した。山口県では、光市中央で2015年5月26日、南敦が初めて採集した。標本は山口県立山口博物館に納入してある。光市中央では、花色は全部白色。花弁の裂片は全部浅く凹入している。他の場所では微紅色もある。近似のフタマタマンテマは深く凹入(深裂)する。シロバナマンテマの凹入(分裂)はないか、ごく浅い。(南敦)
2021.02.28 07:13マンテマSilene gallica L. var. quinquevulnera (L.) W.D.J.Koch [ナデシコ科] ヨーロッパ原産。世界各地に帰化した一年生草本。全体に粗い毛がある。茎の下部が少し横に這い、高さ30cmほど。春~夏、5花弁の花を1方向に向けてつける。花弁の色は暗紫色でその縁は白色。山口県では、『山口県植物誌』によると、「阿武郡大井、1905年6月1日、小田常太郎」が初記録である。(田邊護)
2021.02.28 07:09イタリーマンテマSilene gallica L. var. giraldii (Gussone) S. M. Walters [ナデシコ科]別名:ケナシマンテマ 原産地は地中海沿岸。近似のマンテマに比して全草無毛。花弁は紫紅色で、その先は通常凹まない。1933年に長崎県長崎市で見つかった。山口県では、『山口県植物誌』によると、「光市室積、1966年4月25日、和田益夫」の記録が最初である。南敦は2015年、周防大島町伊保田港でも採集した。(南敦)
2021.02.28 07:00シロバナマンテマSilene gallica L. var. gallica [ナデシコ科] マンテマの変種で白~淡紅色の花をつける。原産地はヨーロッパ。世界各地に帰化した。山口県では、『山口県植物誌』の記録によると、「玖珂郡神代、1963年4月30日、岡国夫」が最初である。県内各地の路傍や海辺、空地などに群生する。紅い花の場合でも、マンテマほど濃紅色ではなく、花弁の周辺が白色を帯びない。花弁の分裂はないか、ごく浅い。(南敦)