2021.03.20 07:28ダンドクCanna indica L. [カンナ科] 原産地はインド。古くから世界の熱帯~暖帯に観賞用として入った。カンナでは珍しく種子ができ、逸出や野生化がはじまった。日本には江戸時代に入った。庭などに植えられたものから種子が拡がり野生がしばしば見られる。山口県では山口県立山口博物館の標本記録によると、「山口市氷上農業試験場、19??年、小田常太郎」がはじめであるが、年数がはっきりしているのは、「山口市惣太夫、1993年11月30日、南敦」である。(南敦)
2021.03.20 07:19ハナシュクシャHedychium coronarium J.König [ショウガ科]別名:ジンジャ-・リリー、ガーランドリリー 原産地は中国西部ほか東南アジアの亜熱帯・熱帯。各国で植栽され、鑑賞または香料にされる。日本には江戸時代に入る。現在(2017)、暖地では河岸や竹やぶなどにかなり野生化している。2015年10月30日、山口市宮野上の川の州に群生していた。「トカラ列島中之島、1975年7月30日、南敦」と「山口市、2015年10月30日、南敦」の標本は山口県立山口博物館に納めてある。(南敦)
2021.03.20 07:13ゴクラクチョウカStrelitzia reginae Banks ex Aiton [ゴクラクチョウカ科]別名:ストレリチア 原産地は南アフリカ。日本には明治時代に入った。山口県にいつ頃入ったかは不明。光市の友人宅では冬は玄関の中に入れて冬越しをし、2年間続けて立派な花を咲かせている。上関町、周防大島町、柳井市平郡島などでは野外に栽植され、逸出野生化している。(井川孝子)
2021.03.20 06:56メリケンガヤツリCyperus eragrostis Lam. [カヤツリグサ科] 原産地は熱帯アメリカ。世界の熱帯から暖帯にかけて帰化。山口県では、山口県立山口博物館の記録によると「萩市日見川河口、1995年10月15日、三宅貞敏」が最初である。県下のほとんどの河川に分布。多年生草本で高さ80cm位のもある。近似のタマガヤツリの小穂が著しく密に集合し、球状の総を作るのに比して、小穂はやや緩く集合する。(南敦)
2021.03.20 06:51ミジンコウキクサWolffia globosa (Roxb.) Hartog et Plas [サトイモ科] 原産地はヨーロッパ南部。世界各地に拡がる。明治時代に日本に来た。山口県では、山口県立山口博物館の標本記録で、「柳井市古開作、1981年7月15日、南敦」が最初である。種子植物では一番小さい。葉状体は卵形~楕円形で長さ約0.8㎜、幅約0.4㎜である。多年生草本で主に出芽によってふえる。だが、夏~秋に約0.1㎜の花をつける。ハス田などの肥沃な水面でよくふえ、全面を被う。山口県内では岩国市から柳井市の間に多い。(南敦)
2021.03.20 06:47ヒメウキクサLandoltia punctata (G.Mey.) D.H.Les et D.J.Crawford [サトイモ科] 原産地は熱帯アジア。世界各地に拡がっている多年生草本。裏面は赤紫色。根は通常5本。明治時代に帰化したらしい。山口県では、山口県立山口博物館の標本記録によると、「阿東町徳佐、1970年7月10日、見明長門」が最初である。南敦は、萩市、周防大島町(旧東和町)、山口市(旧阿知須町)、上関町などで採集し、山口博物館に納入している。(南敦)
2021.03.20 06:43オウゴンカズラ琉球列島Epipremnum aureum (Linden ex André) Bunting. [サトイモ科]別名:ポトス 原産地は不明。鮮緑色の葉に「黄色の斑」が不規則に入る。古くから世界で室内用の観葉植物に用いられるが、沖縄では樹木や人家の壁などによじのぼる。葉は大小が著しい。大きくなるとモンステラのように孔が開いたり切れ込みがあったりする。南敦は山口県立山口博物館にいくつもの島の標本を納めている。近似のハブカズラは黄斑がなく、低温では育たない。室内用観葉植物にはなりにくい。(南敦)
2021.03.20 06:38ミズイモ琉球列島Colocasia esculenta (L.) Schott var. aquatilis (Hassk.) Kitam. ex M.Hotta [サトイモ科]別名:サトイモモドキ 2015年1月11日、鹿児島県奄美市金作原の道路側溝に多数生えているのを見て採集した。サトイモやクワズイモに比して次の性質を持つ。①太い塊茎をつくらない。②直径3~5㎜、長さ20~40cmの「ほふく茎」を持つ。証拠標本は山口県立山口博物館に納めてある。自宅にも栽培している。他では見ていない。(南敦)
2021.03.20 06:00ムラサキナギナタガヤVulpia octoflora (Walter) Rydb. [イネ科] 原産地は北アメリカ。世界各国に雑草として拡がった。山口県では、山口県立山口博物館の標本記録によると、「防府市大崎佐波川右岸、1995年6月12日、真崎博」が最初である。現在(2017)各地の道端や空地に多産する。全形が通常、紫色~薄紫色である。特に小穂の芒が紫色である。小穂は約8㎜の長さで約10個の小花からなる。(南敦)
2021.03.20 05:33イヌシバStenotaphrum secundatum (Walter) Kuntze [イネ科] 原産地は熱帯アメリカ。世界の熱帯・亜熱帯を中心に芝生に用いられ逸出した。日本では1966年、福岡県で採集された。南敦は山口市徳地野谷(2008年6月13日)や周防大島町伊保田で採集し、標本は山口県立山口博物館に納入している。山口市徳地野谷のものが同館初記録という。また、大東島や与那国島の標本も同博物館や広島大学に納入している。いずれも芝生として植えられたものである。普通、葉は短く厚い。やや鈍頭である。(南敦)
2021.03.20 05:27セイバンモロコシSorghum halepense (L.) Pers. [イネ科] 原産地はヨーロッパ。各国各地に拡がっている。日本では第二次世界大戦後に関東地方に見出された。山口県では、『山口県植物誌』によると、「下関市一の宮、1952年12月12日、勝本謙」が最初の記録である。栽培しているトウキビに近似して、至る所に生育している。この種の小穂に芒を欠く型を品種のノギナシセイバンモロコシ(別名、ヒメモロコシ) f. muticum Hubb.という。基本種と混ざって生育していることがある。(南敦)
2021.03.20 05:18オニウシノケグサSchedonorus phoenix (Scop.) Holub [イネ科] 原産地はヨーロッパ。世界の亜寒帯から暖帯にわたって分布する。日本で砂防用や牧草に多く用いられるようになったのは、第二次世界大戦後である。山口県では、『山口県植物誌』によると、「阿武郡地福、1964年5月24日、岡国夫」が最初である。よく似たヒロハウシノケグサとの違いは次のとおりである。但し、( )内はヒロハウシノケグサ。小花の芒は1~4㎜(ない)。葉身の耳部の縁には短毛がある(ない)。(南敦)